こんにちは、のらねこです。
タイ最大級の再開発「ONE BANGKOK」をご存知でしょうか。
「ONE BANGKOK」の概要紹介とともに、タイ・バンコク最大級の開発で導入予定の「日本の技術」についてお届けしていきます。
ONE BANGKOK
ONE BANKOKとは、タイ大手財閥のTCCグループが、バンコク中心部で開発を進める大型複合施設の再開発です。
「ONE BANKOK」での総投資額は約1,200億バーツ(約4,000億円)ともいわれており、タイの民間開発としては、過去最大規模となります。
#恐るべし、TCCグループ!
開発面積は16.7ヘクタールあり、数多くの施設が誕生することとなります。
全体計画が完成する2025年頃には、総床面積1,830,000m2の新都市が作り出されることになります。
▼計画予定の施設(計16棟)
- A級オフィス:5棟
- 高級ホテル :5棟
- 高級コンドミニアム:3棟
- 分化した小売区域
- 芸術文化施設
- 緑地帯公園など
建設は歴史に残る仕事と言われたり、地図に残る仕事と言われますが、
「ONE BANGKOK」は、まさにそういった規模の開発と言えるのではないでしょうか。
場所はバンコクの中心部ルンピニ公園に隣接する、スアンルム・ナイトバザール跡地です。(その昔は軍事学校)王室財産局の敷地でしたが、入札の結果TCCグループが落札しました。
この計画では、タイではあまり普及が進んでいない環境対策にも重点が置かれており、タイで初めてLEED Neighborhood Development Platinum認証を対象としている最先端施設となっていきます。
LEEDのPlatinum認証とは、簡単にいうと最高レベルの省エネ施設ということです。
詳しくは
↓
※LEED Neighborhood Development Platinum認証
LEEDとは、米国グリーンビルディング協会(USGBC:US Green Building Council)が開発、および、運用を行っている建物と敷地利用についての環境性能評価システムです。省エネと環境に配慮した建物・敷地利用を先導するシステムということで、Leadership in Energy and Environmental Designと名付けられました。頭文字をとり、LEED(リード)という名称で呼ばれています。LEED認証システムでは、建物と敷地利用の環境性能を様々な視点から評価するため、複数の評価カテゴリーを設けています。各カテゴリーは、その分野の環境性能を評価する必須項目と選択(加点)項目から構成されています。
LEED認証を取得するには、必須項目の要件を必ず満たす必要があります。その上で、選択(加点)項目の要件を満たすことで、その項目に割り振られているポイントを獲得します。全項目の合計得点は110点です。
得点に応じて上から、プラチナ、ゴールド、シルバー、サーティファイドの4つのレベルで評価されます。
出典:https://woonerf.jp/about_leed/
ホテル
ホテル事業では、ブティックホテル、ビジネスホテルを含めた5棟のブランドホテルが建設されます。
総客室数は計1,100室です。
なかでも、
最高級ホテルは「ザ・リッツ・カールトン・バンコク」(客室数259室)は、高さ430メートルの高層ホテルとなるようです。
現在のタイ最大のタワーといえば、
最上階78階に位置する「マハナコーン・スカイウォーク」は、314メートル。
2位の「バイヨクタワー」が304mなので、「ザ・リッツ・カールトン・バンコク」ができればタイ最大のタワーを更新することとなり、ランドマークとしてそびえ立つこととなります。
A級オフィス
オフィス5棟は合わせて500,000 m2、500社以上が入居し、この施設で働く人の数は5万人以上ともいわれています。
コンドミニアム
コンドミニアムは3棟が建設予定です。
小売りスペース
約450店入居可能な小売りスペース
その他
公園、芸術文化施設なども計画されています。
ONE BANGKOKに導入される日本の技術
実は、この開発で日本の技術力も導入を予定されています。
その技術というのが熱供給事業です。
「One Bangkok」では地域冷房・配電の熱供給事業に、
三井物産と東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)が、地場民間間電力大手Gulf Energy Developmentと共同出資して参画しております。
タイ王国バンコク中心部での同国初の都市型地域冷房事業および配電事業について
出典:https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20200110-01.html
ここで言われている地域冷房・配電事業とはなにかというと、
簡単にいうと、一つの大型プラントに熱源設備を集約し、この複合施設の各施設に地域導管を用いて効率的に熱供給・配電供給を行うシステムのことです。
このような供給システムをとることで、省エネや省スペース効果があり、
日本では、丸の内地区・横浜ランドマークやみなとみらいエリア・スカイツリー地区など多くの場所で採用されている事業です。
今回、タイで初となるLEED最高値の省エネ施設となるため、それを実現するためには核となる技術を日系企業が担っております。
その企業の一つが、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)です。
TGESは、1971年の新宿地域冷暖房センター開設以来、これらの熱供給事業で豊富な経験を持っており、日本国内15か所の地域冷暖房エリアで日本最大の冷温熱量を供給している、まさに熱供給事業のスペシャリスト。
技術面で地場企業と差別化したことで、
このようなタイを代表する再開発計画に参画できたのではないかと考えております。
ちなみに日本では地域冷暖房設備と言いますが、一年を通して高温多湿のタイでは、
地域冷房設備というようですね。(※暖房設備が不要)
地域冷暖房とは
出典:都市環境エネルギー協会
一定地域内の建物群に熱供給設備(地域冷暖房プラント)から、冷水・温水・蒸気などの熱媒を地域導管を通して供給し、冷房・暖房・給湯などを行うシステムです。
https://www.dhcjp.or.jp/about/
▼本記事の出典元
→One Bangkok公式
→東京ガスプレスリリース
→Bangkok Post
→Re-urbanization 再都市化
おわりに
このようなタイ最大級の開発を、タイに駐在中に見れるというのも非常に貴重な経験ではないでしょうか。
「ONE BANGKOK」が完成すれば、まさに景色が変わります。
街の変化が見れるのも途上国駐在の魅力の一つです。
ONE BANGKOKが完成するころ、
タイが世界でのプレゼンスがどうなっていくのか、非常に注目しています。
完成まで、見届けましょう。
ほな、バイバイ!
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