こんにちは、のらねこです。
タイ人とのコミュニケーションを取る上で、文化的な違いから生まれる考え方の違いとして前回は『信頼構築プロセス』として書かせていただきましたが、(前回ブログはコチラから)
今回は『業務への取り組み方・責任の考え方』の違いついて考察させていただきます。
業務への責任の考え方
業務での責任の考え方の違いについて大きく分けると次のようになります。
- 日本人-プロセス重視型
- タイ人-結果重視型
日本人の業務(プロセス重視型)
まず、日本人の業務に対する考え方として、
プロセス(段取り)を重視する傾向があります。
業務プロセスの構築がしっかりできていることが、評価の対象になる傾向が強いです。
昔から、「仕事は段取り8割」というあのことです。プロセスとはどのようにしてそのプロジェクトを進めていくかという指針で、そのため日本人の仕事はプロセスの会議が多かったりします。
これは、日本人の歴史的背景に大きく由来していると考えています。
日本という国にしっかりと四季があり、
農業主体の時代から、お米を作る際には、ある一定の時期までに段階に応じたプロセスを行ってにはしっかりとした工程で行う必要があります。そうしないとお米は育ちません。
つまり、段階に応じたプロセスを行っていかないと一年を乗り切れないのです。
その考えが大きく根付いているため、日本人は少ないチャンスをしっかりとらえるということが遺伝子レベルで備わっていると言えます。
言い換えれば、ワンチャンスを逃すことが出来ない環境ゆえに、ミスできない。
つまり段取りが重要な国民性だということができます。
そのため、日本人は結果よりもプロセスに重きを置いています。
タイ人の業務(結果重視型)
一方で、タイ人はというとアウトプットの結果重視の傾向があるといえます。
タイの会社で一度でも働いたことのある方はわかると思いますが、
タイ人は締め切りまで時間があれば、余力を持ったスタンスで仕事をしており、
締め切り直前になると、いろいろ問題に気づき直前で焦るという人が多いです。
これには日本人同様に、タイ人の歴史的背景に大きく由来していると考えています。
タイ人の場合も農家で考えると、
タイには四季がなく三毛作、四毛作が当たり前で、チャンスが多いです。
そのため、一度のミスはそれほど気にならない環境で育っております。
このような環境下ではチャンスは何度も与えられるのが当たり前という考え方なので、
段取りをそれほど重視せずに、行き当たりばったりにする傾向が強いです。
このようなタイ人の傾向を見れば、ミスがあるのが当然として予定を組む必要があります。
例えば、納期を前もって設定するなど、
想定しているより前に進めていくことで、予備日でミスを許容できるようにコントロールしていくと、計画的な行動をとることができます。
まとめ
このように文化的背景から一つ一つ見ていけば、
生きてきた環境の違いが、仕事に対する考え方形成に大きな影響を受けていると考えられます。
日本人もタイ人に対して、「いい加減だ」という決めつけだけで行動するのではなく分析しながらどうやればうまくマネージメントできるかを考えていく必要があります。
日本人のデメリットとしては、
チャンスが少ない環境で生活しているため、「リスクが取れない精神」にも大きく影響しているのではないでしょうか。
リスクという言葉だけを切り取り、「投資に消極的」「起業に消極的」という状況では、
今後もアメリカや中国との差が大きくついていくと考えています。
市場の原理として「リスクをとれない=利益をだせない」ということですから、
日本企業の幹部クラスは、自分の出世のためという自分本位な理由で「リスクを取らないことがあたり前」に思っている時があります。これでは、「利益を出させない」と言っているのと同じですので、考えを見直す必要があると思っています。
このように、文化的な背景を切り取って見ていくと「心理」や「行動」に理由づけできて、
非常に面白いですので、また機会があれば日本人とタイ人の違いを、切り取って分析していきたいと思います。
ほな、バイバイ!
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